畑薬膳アカデミーとは
重ね煮と発酵食で
命を支える。
薬よりも食が大事。食は予防医学です。
日本にはありがたいことに春夏秋冬という四季があります。畑で育つ野菜や果物もその季節、季節で異なり、私たち日本人は長い間、当たり前にその季節に畑で収穫できる野菜や果物を調理していただいてきました。
そのことが、日本人が世界で 1,2 位の長寿を培ってきた理由だと思います。薬膳という言葉は中国から来ていますが、私は旬の畑の野菜や果物を食べること、さらに日本古来の発酵食を作って食べることが一番健康につながるという意味を、『畑薬膳』という言葉に表しました。
かつて日本で食べられてきた伝統的な和食には、日本人の知恵がいっぱい詰まっています。主食はごはん。副食は旬の野菜の煮物や和え物。 そして汁物。加えて四季折々の野菜の漬物。 調味料は醤油、味噌、酢、みりんなど麹から作られる発酵調味料。また、昔から作られてきた漬物は発酵したものが多いのです。そんな日本古来のたくさんの知恵が詰まった伝統的な和食について学んでいただくのが、畑薬膳アカデミーです。
発酵伝承講座
日本には昔から、その地方独特の発酵食が発達してきました。それは日本の気候、風土がもたらしたものです。母から子へ、子から孫へというように、家族の中で日々の手仕事として伝えられてきました。
しかし40年〜50年ほど前から家族の形態が変わり、また食の合理化が進んだことによって、伝統的な発酵食がだんだん作られない状況になってきています。最近になって、腸内細菌叢が健康に及ぼす影響が大きいということが科学的に証明されてきました。そのためには日本古来の発酵食がよいということで、今改めて発酵食が脚光を浴びてきました。
この講座では、実際に発酵食である糠漬けや、沢庵、白菜の漬物といった伝統的な発酵漬物や、麹から作る味噌仕込みを実習します。
それ以外に日本の主な調味料や日本酒を造る時には欠かせない「麹」の話、微生物全体の話、醤油造りのことなどを特別講師を招いて学んでいただきます。またお味噌の大事な原材料である大豆の種まきや、収穫といった農作業も体験していただきます。毎月1回、年間12回の講座となっています。何月からでも入会できる他、単発でも受けていただけます。日本の伝統的な発酵食について、いろんな方面から学んでいただいて「発酵伝承師」になりませんか。
麹づくり
畑から食卓へ
すべて手作りで届ける
畑薬膳アカデミーの麹づくり
麹づくり 15年
毎年20キロ×6回を仕込み
今まで2000キロの麹づくりをしてきた
味噌づくり
畑から食卓へ
手作りで届ける
畑薬膳アカデミーの味噌づくり
味噌づくり 15年
毎年50キロ×6回を仕込み
今まで5000キロのみそをつくる
味噌づくり
畑から食卓へ
手作りで届ける
畑薬膳アカデミーの味噌づくり
味噌づくり 15年
毎年50キロ×6回を仕込み
今まで5000キロのみそをつくる
ぬかづけ
畑から食卓へ
手作りで届ける 畑薬膳アカデミーの糠漬け
糠漬けづくり
毎年仕込み
今までたくさんの糠漬けづくりをしてきた
健美膳料理教室
(陰陽調和の重ね煮)
おいしい!ヘルシー!
スピーディー!!
陰陽調和の重ね煮とは、東洋哲学の陰陽論を応用して作る料理で、野菜を「陰」「陽」でとらえ、鍋の中で陰から陽へと順に重ねて蒸し煮する調理法です。このように調理することで、野菜本来の旨味が引き出されて、塩や醤油、お味噌などの調味料がほんの少しですみ、砂糖や油をあまり使いません。野菜をたくさん一度に摂ることができて、とてもおいしく、健康的な料理です。重ねて蒸すだけなので、短時間にできあがります。
また、水や火のエネルギーも必要最小限にしか使いませんし、生ごみが少ないので、環境に優しい料理とも言えます。具体的には「一物全体」といって皮やアクを取らず、野菜をなるべく捨てることなく全体を使うようにします。そして安心安全な食材を用います。調味料は伝統的な製法で作られている添加物が入っていないもの、野菜やお米はなるべく無農薬や減農薬のものを用います。
「身土不二」ということを大事にしますが、それは「人間と環境は二ならず」ということで、人間は その住んでいる環境に育つものを食することが、健康を保つうえで大事なことという意味になります。
野菜の「旬」も大事にします。本来の時期に育てられた野菜は、栄養価がありとてもおいしいく、エネルギーがあるので食べるとパワーをいただけます。またその野菜を作る上でも環境に負荷をかけないので、環境に優しいということもいえます。そして、昔ながらの台所手当てを実習します。医者に行く前に家庭の台所にあるもので症状を抑える方法をお伝えします。
畑野菜ワークショップ
畑から食卓へ
現代のように冷凍庫や冷蔵庫がない時代、昔の人達は一度に食べきれないものをいろんな方法を考えて保存してきました。乾燥させたり、塩に漬けたり、砂糖でジャムを作ったり。 畑の野菜や果物を収穫することから始めて、いろんな保存食を作るということを「畑野菜でワークショップ」と名付けました。
江戸末期に建てられた田舎家ですが、庭続きの畑が広く、90歳過ぎた父が野菜作りに精を出して年間通じていろんな野菜を作ってくれています。それを使って、四季折々のおいしい保存食を作ります。ゆったりした奈良の田舎で、みんなで話をしながら、ちょっと田舎暮らしを体験するという一面もあります。
プロフィール
発酵伝承師竹村 享子
- 薬剤師
- 陰陽調和料理認定講師
- 野菜ソムリエプロ
- 醸しにすと” 極め”
田舎の農家に生まれ、畑の野菜の煮物や和え物といった毎日の食生活に不満を持っていた私。
結婚して大阪でのマンション暮らしを始めた時、憧れを持っていた、パンとスクランブルエッグ、果物、コーヒーというような朝食を毎日摂るようになりました。
子どもが3人生まれましたが、三女が喘息とアトピー性皮膚炎を併発したことにより、梅崎和子さんに出会って、陰陽調和料理を学びました。
戦後、肉、卵、乳製品が多い欧米食を取り入れたことにより、アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の子どもが増加、日本人には日本人に合った食べ方がある、ということを教わりました。
戦後、肉、卵、乳製品が多い欧米食を取り入れたことにより、アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の子どもが増加、日本人には日 本人に合った食べ方がある、ということを教わりました。
薬学部で学んだ私は、子どもの手が離れたら薬剤師として仕事を するつもりでしたが、「病気になってからの薬よりも、病気にならないように予防する食事が大事」という考えに至りました。そして、梅崎さんと一緒に(有)いんやん倶楽部という料理教室の会 社を立ち上げ、教室運営に10年間携わりました。
子どもたちが成長して田舎に帰ったことにより、自分が子どものときに嫌っていた野菜の多い食事が健康長寿にいいということを実感しました。
祖父母は97歳と96歳で亡くなりましたが、亡くなる直前まで心身ともに元気に過ごしていました。ご飯、味噌汁、漬け物という朝食がよかったのではと思います。また漬物は朝だけではなく、三度の食事で食べていました。母が祖母から教わった麹から作るお味噌や漬け物を、今度は私が母から学びました。
気が付くと、農村であってもお味噌や漬物を自分で作る人が少なくなっています。地元の小学校の総合の時間に、種まきから味噌作りまでする「大豆プロジェクト」を取り入れてもらったことにより、近所の子どもを持つお母さんたちにお味噌作りの輪が広がってきています。お味噌だけではなく漬物などの発酵食を作りたいという人が、周りで増えてきています。
けれどももっとたくさんの方たちに伝統的な発酵食を伝えて、日本人の健康寿命を延ばしたいというのが私の願いです。
発酵食伝承師として活躍する人を増やしていきたいと思います。